プロ家庭教師コラム

発達障害
自身の体験を話すこと(後半)

発達障害:教師が自身の体験を話すこと

実は昔私は勉強が出来なかった、と生徒にカミングアウトをしてから、約1週間ほどが経ちます。今までどんな話をしても響かなかった、その時は響いても、翌日寝て起きたら元通り、伝わっているようで伝わらない、そんな生徒が、この告白後に自分から勉強をするようになったのです。それを受けて、私はこう思いました。

以前から、具体性のない例え話や教師の格が上がるような格言めいた話、生徒に「この先生すごい!」と言われたくてする話には中身がなく、何の魅力も引力もないし響かないだろう、とは思っていました。であればこそ、それらに頼らず目の前の生徒と向き合い、相談に乗り、何故取り組めなかったのか、どうしたら改善出来るかを一緒に考えてきました。格言を言われるよりも、話を聞き出して相談に乗ってあげるよりも、自分の失敗体験を、恥をさらけ出し、どうしたら改善出来たか、当時の私は何が悪かったと思うかを話す方が効果が見られたのは何故か。

教師の失敗談が生徒の共感と関心につながる

重要だったのは、「共感」の多さだったのかもしれません。勉強が出来るから先生になったと予想される人物が、勉強が出来てない自分に対して正論らしきことを言う。そこに素直に共感出来る子どもばかりではないのは、当然かもしれません。また、「知ること」への欲求も無視出来ません。私が勉強を頑張れるのは、その分野をもっと知りたいと思ったときです。最近では、生徒にちゃんと教えたいという欲求で猛勉強しているときも多いです。もしかすると生徒も、先生自身をもっと知りたいと思ってくれたのかも知れません。普段は宿題や勉強の話になると、また説教かと逃げてしまうケースも多いです。ですがこの話は、最後までじっくり真剣に聞いてくれました。

私が中学で数学1桁を取ったのは、前の単元の復習を怠ったからです。前の単元のどこで数学嫌いになったのか解らず、戻り方も知りませんでした。目の前の授業についていくのに必死で、原因が前学年の復習不足だと気付きませんでした。そのため、とにかく教科書とワークの例題を丸暗記しようとしました。部活が早上がりなのを良いことに、帰宅後3時まで内容を詰め込みました。翌日ふらふらの状態で、最も苦手な数学のテストを受けました。しかし教科書からもワークからも出ず、入試過去問から問題が出ました。結果1桁。当たり前です。問題を覚えることと解けるようになることは全く違います。暗記が効かない科目まで、教科書とワークをやってれば良いと思ったのが原因でした。

当時の私は馬鹿だったと思う。教科書もワークも入試にそのまま出ないじゃん。範囲外から出すなんて騙された!と思ったよ。でも、今なら狙いが解る。中学の時は教科書とワークをやることを勉強って言うんだと思ってた。何なら、教科書とワークが終わったら、漫画読んでゲームしてた。ゲーム発売日がテスト1週間前だったりすると、ゲームやっちゃってた。いざテスト前に不安になって、焦って無茶して、本当に馬鹿だった。テスト当日も計算は数字変えられてて暗記無駄で、応用は解き方覚えてなくて。点数見たときは、やばいと思って怖くなった。でも定期テストは入試の予行演習だとまでは、その時はまだ気付かなかった。入試終わって高校入ってから、それに気付いた。勉強の意味が解った。本当に解けるってことは、仕組みが解って戦える力があるってことだなって。

こんな話をした後から、指導内での解き方に対する質問が倍増しました。翌週行った時に、自分の意志で宿題を、勉強を、やり始めたのが解りました。気付きました。楽しそうに喋ってくれても、悩みを相談してくれても、心の何処かでこの人は先生で自分とは違う、と思っていたんだろうな、と。

学習に対して積極的になった生徒

こんな話をした後から、指導内での解き方に対する質問が倍増しました。翌週行った時に、自分の意志で宿題を、勉強を、やり始めたのが解りました。気付きました。楽しそうに喋ってくれても、悩みを相談してくれても、心の何処かでこの人は先生で自分とは違う、と思っていたんだろうな、と。

先生も元は何も知らない子どもでした。周りの子も含めて、最初から頭が良い人なんてほとんどいません。皆努力して勉強の仕方を学んできた、皆自分と同じように苦戦してる。皆と自分は違う、と劣等感を持って諦めてしまう必要なんてないんです。先生でさえ、死に物狂いで勉強してやっと、生徒たちの前に立っています。それを今回伝えることが出来たのかなと思いました。もしかして、数学1桁だった人が、今それを覆して生徒に数学を教えている、という事実に直面して、「もしそうなら、自分にも、出来るようになるんじゃないか?」と思ってくれたのだとしたら、私が過去の失敗談を打ち明けた価値は、私自身が思っていたよりもずっと大きかったのかも知れません。

人は変われる、どう変わるかは自分次第。どうせ変わるなら楽しくて魅力的な人になって欲しい、皆に対してそう思う今日この頃です。

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プロ家庭教師のジャンプは理想的な家庭指導を目指し、生徒1人1人に合わせた指導カリキュラムや、矛盾のないシステムが高い評価をいただき各ご家庭から92%という高い満足度をいただいています。本ページに掲載されている「アンケートの回答」は、ジャンプに入会したご家庭から実際にご回答いただいたアンケートの一部です。ストレスを抱えることなく学習習慣を身につけるために。生徒さんの学力を伸ばす、ジャンプのプロ家庭教師をぜひご活用ください。