発達障害
発達障害と「子どもの幸福の実現」

「発達が阻害されていることを克服し、発達を保障する」という発達保障論があります。この発達保障論は、少しでも発達することに価値があるとする考えが暗黙のうちに含まれており、「できるようになった」、「よくなった」という価値に関心が向かいやすく、ややもすれば「子どもの幸福の実現」という本来の目的が見失われてしまいがちになります。

「ハサミが使えるようになった」、「ボールが投げられるようになった」、と能力やスキルの発達で人を測ることに価値を置き過ぎると、能力が高い人ほど素晴らしいという考え方になってしまう恐れがあります。しかし、赤ちゃんが赤ちゃんというだけで大切にされるように、人間の存在はそれだけですでに価値があります。

近年、我慢や精進を強要されるだけの「発達訓練」の日々が自己否定を生み、生きづらさにつながるという事実も明らかになってきました。「訓練」として一方的に「～させる」ことを強いる働きかけは、子どもを強い不安に陥らせる場合があることを忘れてはいけません。「子どもの幸福の実現」の観点から「発達」を考えると、能力やスキルの発達だけでなく、それ以上に、周りの人たちがその子に寄り添って得た、その子についての「見解」こそが、子どもがより良く生きる方向性を見出すことにつながるのではないでしょうか。

また、発達の本質を重視する「関係発達」という考えがあります。子どもは「環境との相互作用によって変化する存在」であると理解し、発達は周囲の人やモノとの関係から切り離して考えることのできないという考えです。発達障害者支援法でも、発達障害は「心身の機能障害」だけで構成される概念ではないことが掲げられています。

プロ家庭教師の最大のメリットは、教師が一人の人間として目の前にいる子どもを見つめ、その子に寄り添うという姿勢で教育でき、さらにご家族の方とも丁寧にお話をしながら連携がとることができる点です。プロ家庭教師としてさまざまなお子さまと寄り添い学ばさせて頂いた経験と、ご家族との綿密な連携が、お子様のより良い教育環境を創り、より良い子どもの成長につながることを確信しています。