J.Voice

不登校生徒の自宅学習

様々な理由で「学校に通えなくなってしまった」不登校の生徒。対人恐怖やいじめがきっかけとなって登校拒否が続き、在籍している学校の勉強から完全に遅れてしまう状態の不登校。学校に行けない生徒さんにプロ家庭教師から学習をサポートしてもらいたいと願うご家庭はとても多いようです。不登校の生徒にとってプロ家庭教師の指導はどんな意味を持つのでしょうか?不登校児童の指導を経験された、さいたま支部の菅原先生にお話を伺いました。

気持ちを変えるプロ家庭教師

学生時代はどんな生徒でしたか?

私の学生時代は、とにかくたくさん習い事をしていました。ピアノ、バレエ、習字、そろばん、水泳、茶道… 習い事の多い学生時代でした。

得意な分野は何ですか?

比較的得意な分野は数学です。小学生の頃に通っていた塾で、卒業テストで上のクラスの人を抜いて優秀賞をいただいたことがありました。それがきっかけになり、算数が大好きになりました。できる、と思えるようになったのでその後も数学が大好きで、自分の得意分野になりました。

指導について心がけていることは何ですか?

指導するほとんどの生徒さんが「勉強が嫌い」なので、まず私のことを好きになってもらえるよう努めています。私が指導に来るのがイヤだと思われてしまっては、効率よく勉強が進められないので、まずはじめに生徒さんとの信頼関係を築くというのを心がけています。

指導の前後で、生徒にどんな変化がありますか?

はじめは勉強がとにかく嫌いで、テストの点数が0点でも10点でもまったく気にしないという生徒さんがいましたが、指導が進むにつれて「自分でも勉強ができる」ということを実感できるようになり、私が用意した漢字テストや単語テストでは100点がとれるようにまでなりました。100点がとれなかったときには、悔し泣きをすることもありました。そういった気持ちの変化は、指導のなかでよく感じることができます。

不登校生徒の自信につなげる

菅原先生は不登校児童の指導もされていると聞きましたが。

はい。現在2名を担当しています。1人は小学校6年生でアスペルガー症候群に診断されている生徒さんです。わりと話すのが好きな女の子ですが、4年生の頃から学校に通えなくなり現在に至っています。もう1人は私立の学校に在籍している中学3年生で、2年近く学校に通っていません。

不登校の生徒は「勉強が嫌い」ですか?

そんなことはないです。「勉強が嫌いだから」というのが不登校の理由ではないので。学校に通えなくなって、勉強ができなくなったというのがほとんどです。

不登校の生徒に指導する場合、「学校の成績を上げる」「志望校に合格する」といった明確な目標がないように思いますが、指導する上で何か目標にすることはありますか?

不登校の生徒さんは、学校に通っていないことで「他の生徒よりも劣っている」という劣等感をどうしても持ってしまうんです。実際、学校での学習に参加していないことで、他の生徒さんに比べて勉強の遅れがあります。もちろん生徒さん自身も自覚していて、自分に自信をなくしてしまう。自信をなくして、学校に通おうという気力をなくしてしまう。不登校の生徒さんには、そういう「負の連鎖」があるんです。だから不登校の生徒さんがプロ家庭教師のサポートで自宅学習するということは、ただ単に勉強をするというだけでなく、少しでも自信を回復するためにとても重要な意味を持つと思っています。学校には通っていないけれど、勉強は続けているという。もちろん他の生徒さんと同等レベルに、というわけにはいきませんが、できない勉強が「できるようになった」とか、解けない問題が「解けるようになった」という充実感が、生徒さんの自信につながるように思います。

なるほど。結果として在籍している学校の復学に結びつかなかったとしても、「自信を失っている」生徒さんに少しでも自信をつけてあげられる、それはプロ家庭教師の重要な役割なのかもしれませんね。指導の前後で生徒さんの変化を感じることはありますか?

家の外にまったく出られない生徒さんもいて、そんな生徒さんにとってプロ家庭教師は「親以外で接する唯一の存在」ということになるんです。指導することで勉強面での成長はもちろんありますが、メンタル面での変化も感じることがあります。自分の部屋の壁に「お母さんに暴言をはかない」という貼り紙をするようになったり、口にすることすらできなかったのに自分のことを「不登校」と言えるようになったり。もちろん、わたしの指導ですべてがよくなるわけじゃないし、感じられる変化はとても小さいものですが。

不登校の生徒にとっては貴重な「社会との接点」ですから、プロ家庭教師の指導時間は、学力だけでは計れない大切な意味を持つんでしょうね。

プロ家庭教師になってよかったこと

プロ家庭教師になってよかったことは何ですか?

プロ家庭教師の場合、ほとんどが短い期間で「受験に合格させてほしい」とか「次の定期試験で成績を上げてほしい」といった目標を設定してご家庭から依頼を受けることがほとんどです。その目標を達成できたときには、もちろん「家庭教師をやってよかった」と思えるんですが、私の指導期間が終わった後にその後のことを報告を受けるととても嬉しかったりします。

例えば高校受験のための指導であっても、大学に進学した後に「あの時、先生に教えてもらってよかった!」と生徒さんから言われたことがありましたが、その時は本当に嬉しかったです。私たちプロ家庭教師は限られた時間の中で、生徒さんをサポートすることしかできませんが、一生懸命取り組んだ指導が生徒さんの「その後の人生」のために役に立ったということ。そういうことが実感できると「プロ家庭教師になってよかった」とすごく思いますね。