ASD

自閉症
スペクトラム障害と
学習方法

自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?

自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれる自閉症スペクトラム障害は、相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏りの3つの特徴を持った発達障害です。女性よりも男性に多い障害で、アメリカにおいては100人に1人以上の割合で存在すると言われています。

自閉症スペクトラム障害の特性

1相互的な対人関係が苦手

自分以外の誰かの立場に立った視点を持つことが苦手です。人と上手に意思を通わせるためには、相手の立場に立った視点や考え方を持つことが必要になりますが、自分以外の視点や考え方を持つことが苦手なので、相手がどんな気持ちでいるのかを想像したり、相手の価値観に共感するといったことがうまくできません。そのため「一方的で自分勝手だ」「性格が冷たい」と誤解されてしまうこともあります。

2コミュニケーションが苦手

言葉に対する定義や解釈が得意ではありません。そのため、文章で使うような単語や文章を会話で繰り返し使ったり、逆に会話のような言葉使いで文章を書いてしまったりと、言葉の多様性を理解して使うことが苦手です。そのため言葉のキャッチボールがうまくいかず、コミュニケーションに自信をなくしてしまいます。

3興味や行動の偏り

特定の何かに深くのめり込む傾向があります。規則性のあるものが好きで、自分が興味のある分野については驚くほどの能力を発揮する場合もあります。実際に自閉症スペクトラム障害を持った歴史上の偉人・著名人は多く、多様な分野でその才能を開花させています。好きなことに埋没できる探究心は、自閉症スペクトラム障害の大きな特性であり長所です。

自閉症スペクトラム障害の学習方法

ASDの学習方法

自閉症スペクトラム障害の生徒さんは、特定の何かに独自の興味とこだわりを持っていることが多く、そのこだわりのために周囲の誤解を招くことがあります。自閉症スペクトラム障害を持つA君は字をとても丁寧に書く生徒さんでした。字をひとつひとつ綺麗に書くので、学習スピードも大変ゆっくりでした。そのため、ある日学校の先生がA君に「字はもう少し雑になってもいいから、早く書いてね。」と言いました。学校の先生は悪気もなく言った言葉でしたが、その次の日からA君は鉛筆をうまく持てなくなってしまったのです。ご両親は、「ふざけているだけだ」と叱りましたが、発達障害に限らず子供はデリケートなものです。特に自閉症スペクトラム障害の生徒さんは、こうした大人の何気ない一言に大きく左右される場合があります。学校の先生をはじめ、大人は他の生徒と同じ行動をしない生徒をなかなか認めてくれない傾向があります。しかし、彼らにとっては違った形の表現をしているだけで、みんなと同じように心の中では理解してもらいたいと思っているはずです。

すべての生徒さんには、必ずと言っていいほど個々に得意分野と不得意分野があります。それが顕著にあらわれてしまうのが発達障害の生徒さんです。ただし、その「得意と不得意」は、実はご家庭から見る視点とプロ家庭教師から見る視点では異なる場合が多いのです。プロ家庭教師のジャンプではご家庭から「うちの子は、英語が好きなんですね。先生の宿題をきちんとやっていて驚きました!」「勉強がすごく嫌で、何もしなかったのに、毎日の宿題のプリントをやっています!」という声をよくいただいています。それはプロ家庭教師が生徒さんの得意分野や伸ばすべきポイントを理解し、その子にあった宿題を意図して出題しているからなのです。生徒さんの特性を把握せずに、ただ単に不得意な部分を重点的に学習させても何も効果を得ることはできません。嫌なことは誰だってやりたくないし、逃げたくなるものです。

その一方で、自閉症スペクトラム障害の生徒さんは「得意なことや好きなこと」に時間を忘れるほど熱中できる傾向があります。それが、周りの人に褒められるとより一層自信につながり勉強の意欲の源となります。褒めて伸ばすとは言葉で言うのは簡単ですが、褒めるポイントを間違えないことがとても大切です。発達障害の知識を持ち、生徒さんのポイントを捉え、得意なところを伸ばし、不得意分野のフォローをする。生徒さんの特性を「認めて伸ばす」それがジャンプのプロ家庭教師です。

WISC-IV 知能検査

WISC-IV(ウィスク・フォー)は現在世界で広く利用されている代表的な児童向けウェクスラー式知能検査です。注意欠陥・多動性障害(ADHD)や学習障害などを診断するツールとして、医療機関をはじめ日本でも広く利用されています。

WISC-IVの検査結果は、生徒さんの指導を進めていく上での重要なヒントとなります。検査で算出された数値は生徒さんのレベルを示すだけでなく、その数値のバランスによって得意・不得意の「傾向」を知るために大いに役立ちます。WISC-IVの検査結果は、指導開始の前に必ずジャンプのプロ家庭教師にご提示ください。生徒さんの状況を知ることで、生徒さんが受け入れやすい学習方法をジャンプのプロ家庭教師が実践します。