特別支援学級とは?
特別支援学級とは、障害があるために普通学級における指導では十分に指導の効果を上げることが困難な子どものために、小・中学校に置かれている学級のことを指します。通常の学級より少ない人数で、授業を行い、「支援級」「なかよし学級」 呼び方は様々で、平成31年度(2月)の統計では全国で約24万人が特別支援学級に通っています。(平成19年度から約2倍に増えており、全体の8割程度の小中学校に設置されている)
発達障害だから特別支援学級に通わなければならないということはなく、普通級に通いながらサポートを受けることも可能になっています。近年は保護者や本人の要望に応じて選択できるケース(障害の程度にもよる)も増えていますが、学校側から特別支援学級への移籍を勧められることが多いようです。
発達障害の子どもの就学先は?
普通級
症状が軽度の場合は通常の学級(普通級)に在籍しながら、障害の状態に応じた指導をうけられる「通級指導教室」が受けられます。在籍校に特別支援学級がない場合は、学区内の近隣校に「通級」します。
特別支援学級
特別支援学級に在籍している場合も、普通級の子どもと交流する機会が設けられている場合もあり、給食や昼休み、ホームルームなどに参加したりします。1クラス当たりの人数は標準で8人とされています。(小・中学校のみ)
特別支援学校
特別支援学校は、心身に障害(視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者)のある児童が通う学校で、幼稚園~高校まであります。1クラス当たりの人数は平均で3人程度で支援学級よりもさらに少人数になっています。知的障害がなくても就学相談の結果によっては入学が可能な場合があります。
発達障害と特別支援学級
特別支援学級へ通わせるべきかどうか、普通学級に通うべきか、親御さんが最も悩むことのひとつです。特別支援学級に通わせることが生徒さんにとってベストな選択かどうか、安易に決めずに状況をしっかりと見極めることが大切です。
支援学級の授業内容
特別支援学級の上限定員は8人と定められています。特別支援学級における学習は、わかりやすく、日常生活で実践しやすい内容に工夫されています。
生活単元学習
日常生活のイベントごとに活動・作業を通じて、言葉や数、運動、コミュニケーションなどの基礎知識と技能を学習します。例)誕生日カード作り、体を使った集団ゲームなど
日常生活の指導
生徒が自立していくのに必要となる日常生活スキルと集団生活スキルを学びます。例)手洗い、歯磨き、あいさつ、食事、身だしなみ、トイレなど
遊びの指導
遊びを交えた学びと指導
作業学習
生徒が卒業して就職する前の段階から、作業等を通じて就職と進路を考る。(中学生)
メリットとデメリット
- 1クラス8名までの少人数で、よく目が届く
- 発達に合わせた学習ができる
- 自分のペースで学校生活を送ることができる
支援学級のメリット
特別支援学級は少人数できめ細やかなサポートが受けられる反面、高校には支援級が存在しない為、高校進学にあたって不利な面もあります。受験を考えた場合、授業の内容が物足りなく感じるという保護者の意見も多いようです。地域格差や先生によっても差が大きく、専門知識を十分にもった人もいれば、人手不足で派遣されてきた先生がいるのも事実です。
- 他の子どもと触れ合う機会が少ない
- 支援学級がない場合、離れた学校に通学する必要がある
- 高校に特別支援学級がない
- 学習の時間や内容が物足りない
支援学級のデメリット
支援学級卒業後の進路
高校には支援学級がない為、支援学校(高等部)か普通学級に進学することになります。 ほとんどの卒業生が進学しており、特別支援学校の高等部を選んだのは55%。半数弱は通常の高校などに進学しています。 平成30年度(2018~2019年)から高校でも、社会に適応する術を障害の程度に応じて学ぶ「自立活動」の指導を個別に受けることができる「通級」の制度がスタートしました。まだまだ地域差など多くの問題もありますが、進学後の支援も少しずつ整えられてきています。
支援学級と高校受験・進学
「普通科の学校で頑張りたい」という意欲をもっている子どもでも「支援学級」にいるだけで「受験させられない」「受験することができない」と断られてしまうケースもあり、進路が狭められてしまうことがあります。
発達障害サポート
プロ家庭教師のジャンプでは、学習障害、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、多動性障害(ADHD)などの発達障害をお持ちの生徒さんの自宅学習をサポートしており、「先生から特別支援学級をすすめらた」「支援学級に入ってから勉強がどんどん遅れていく」「普通級に復帰したい」そんなお子さまの指導実績が多数あります。お悩みの方は是非ご相談ください。
支援学級の生徒さんの事例
ASDの生徒さんの事例
「集中力が途切れやすい」ということで、学校の授業中も集中できず、ついていけず不登校気味に。先生から「特別支援学級に移ってみては」と提案されるが、本人は「そのまま普通級に通いたい」といろいろな学習方法を検討した結果、プロ家庭教師のジャンプに入会されました。
特別支援学級から公立高校へ
担任からの勧めで検査を受けたところ学習障害と診断された。中学校にあがるタイミングで特別支援での入学を強く勧められ、迷いもあったが承諾した。プロ家庭教師のサポートで特別支援クラスから普通学級、公立高校合格へ